断食を実行する

断食を実行する

栄養学は、現在まで体に摂り入れることばかりを考えて来ました。 栄養を入れ過ぎて病気が起こるなどと言うことは、長い間、誰も思わなかったようです。
しかし最近になって栄養を摂り過ぎた結果、あらゆる病気が起こるということが科学的に証明され、知られるようになってきました。

例えば「悪玉アディポサイトカイン」という存在。『悪玉アディポサイトカインは脂肪細胞から出現し、様々な病気を作る物質である』と発表されたのは1996年頃です。悪玉アディポサイトカインは脂肪細胞から出るため、脂肪太りの人は非常に病気になりやすいと判明しました。悪玉アディポサイトカインで有名なのは次の4つです。

TNF-α:多く出ると糖尿病に向かう。
PAI-1:多く出ると血栓が飛び脳梗塞や心筋梗塞になる。
アンギオテンシノーゲン:多く出ると高血圧になる。
IL-6:多く出ると白血病やガンになる。

脂肪細胞が多い人程、このような様々な病気に結びつきます。そしてその原因は、過食やダラダラ食い、つまり栄養の摂り過ぎです。

今は「飽食の時代」です。このような脂肪太りで起こった病気には「栄養を抜く」という作業こそ大切なのです。その抜く作業こそ「断食を実行する」ことです。これからはこの「断食」が求められる時代だと思います。

「断食」を実行して良くなった人は数多くいますが、次のルイジ・コルナロもその一人です。

ルイジ・コルナロの極少食(超半断食)の成果について

ルイジ・コルナロは、1464年にイタリアで生まれ、1566年に102歳で亡くなったイタリア人貴族で、ヴェネツィア共和国パドヴァ市の行政長官を務めていました。
若い時は暴飲暴食の毎日でした。そのせいで30代にはあらゆる生活習慣病を患い、40代には生死の境をさまようほどの症状が出現するようになりました。
微熱が続き、全身のふしぶしが痛み、関節痛、頭痛、めまい、胃腸は最悪、その後起こったのは痛風による足先の激痛、のどはカラカラに乾き、しまいには生きている気すらしなくなるほどになりました。このような症状はコルナロが45歳になるまで続きました。
当時の病院は今のような検査機械はなく、症状による対処しかありませんでした。
信頼できる医師に相談したところ、「食を著しく節することしか無いかもしれない」と言われました。

そこでコルナロは、人生の盛りで死にたくないと思い、強い意志をもって「極少食(半断食)」を実行しました。極端に減らした極少食(半断食)を実行してみたところ、症状が少しずつ消えていくことに気づきました。そしてそのうちほとんどの症状が消え、1年後には激痛も関節痛も微熱もめまいも何もかも一切消えていたのです。

そこでコルナロは「超少食の効果」について真剣に考えはじめます。そして普通の食生活に戻ってからも、時々極少食を取り入れ、体調を元に戻すようになります。

70歳の時、乗っていた馬車が転倒し引きずられて全身打撲を負います。かなりひどい状態だったようで、医師は4~5日の命とすら言うほどでした。 しかしコルナロは手足の折れた所の固定とマッサージを行い、あとは極少食に徹したのです。するとみるみる回復し、数ヵ月で完治してしまったのです。
その後、コルナロは少し食事を増やしてみました。そうしたらまた悪い症状に見舞われました。 そこで再び極少食に戻したところ、また楽になり、完治しました。
コルナロは自分の著書でこのようなことを書いていますが、その成果は当時としては長寿である102歳まで元気に生きたということです。
これをもってしても、極少食がどれほど効果的かと思います。
(『無病法(極少食の威力)』ルイジ・コルナロ著、中倉玄喜編訳・解説、PHP研究所刊より)

鶴見式ファスティング療法


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