鶴見医師に聞く「良い油」について

鶴見医師に聞く「良い油」について

人間が健康を保つためには、良い油を適量摂取するのが良いでしょう。人間の細胞膜の大部分が脂質であることを思うと、摂取する油脂の質が良いことが絶対だからです。

油脂とは
食用の脂質:油脂
常温で液体の脂質(油)・・・ゴマ油、大豆油、オリーブ油など
常温で固体の脂質(脂)・・・ラード、ヘッド、バターなど
脂質の主成分は『脂肪酸』です。

【脂肪酸の種類】 油脂とは

必須脂肪酸は体内で合成できないため、食物から摂る必要があります。働きとしては、体内でエネルギー(1g9kcal)になり、細胞膜を構成し、局所ホルモンを出し、動脈硬化や血栓を予防し、細胞膜の機能を効果的に行います。
油脂の摂取は多過ぎてはいけませんが、必要な質の良い油脂はそれなりに摂る必要はあります。油脂は種類がいくつかありますが、最終的に細胞膜にそのまま到達します。それ故、摂取された油脂が極めて重要となります。ちなみに細胞膜の70~80%は脂質(リン脂質)で出来ています。食物はどんな食物でもこの脂質は必ず入っています。たとえ野菜やフルーツであってでもです。

問題は、「どの油脂をどのような割合で摂ると健康になるか?」です。
紅花油や、サラダ油や、グレープシード油、ゴマ油、ひまわり油、大豆油などは、オメガ6が割合としてかなり多い油。
オリーブ油や菜種油はオメガ9の多い油。
アマニ油やエゴマ油、魚(特に生の青魚)はオメガ3が多い油です。
不飽和脂肪酸油脂(オメガ6とオメガ3)は必須脂肪酸であり、体の中(特に細胞膜)に入ると局所ホルモンを出します。この局所ホルモンの質が健康を左右します。

オメガ6油は、代謝され、出てくる局所ホルモンは、プロスタグランジン2。 このプロスタグランジン2は、細胞や、臓器の収縮に働く作用。

一方、アマニ油とエゴマ油と言ったオメガ3系油は、代謝されて出る局所ホルモンは、プロスタグランジン3。 プロスタグランジン3の作用は拡張。

つまり、オメガ6とオメガ3は、アクセルとブレーキのような全く正反対な作用をします。

この時、オメガ6の割合が過剰になるとあらゆる病気に繋がります。
人間は、オメガ6対オメガ3が、1対1で体に入っている限り病気はしない(厚生労働省は4対1でも大丈夫と言っている)と言われます。細胞膜がオメガ6が過剰だと細胞が極めて炎症をおこしやすくなり酸化しやすくなります。局所ホルモンのプロスタグランジン2の作用からです。反対にオメガ3が多い細胞膜は実に機能的で落ち着いていて酸化しにくくなります。だから、オメガ6とオメガ3は1対1でないといけないのです。
ところが、食べ物のせいで、やたらにオメガ6の油や飽和脂肪酸油脂過剰になっているのが現代人。
それ故現代人は病人だらけ。
オメガ3油を積極的に摂取して健康でありたいものです。

青魚 オメガ3

そこで、アマニ油とエゴマ油をおすすめします。サラダのドレッシングとして使いましょう。生味噌を黒酢で溶き、これらの油をまぜてドレッシングを作ります。油はコールドプレス方式で抽出したものを選んでください。コールドプレスではなく、薬剤や高温抽出(煮取り法)で抽出した油は、まず酸化しているため使わないでください。酸化されにくい遮光された瓶に入っているものを選びましょう。

これらのオメガ3油は血液がサラサラになります。

アマニ油やエゴマ油を摂取すると、細胞からプロスタグランジン3が出るため、炎症が取れ、血液がサラサラになります。プロスタグランジン3が体内に多く出ることは、痛み軽減、柔軟な細胞、アディポネクチンの増多と良いことづくめなのです。

プロスタグランジン(局所ホルモン):脂質代謝産物で、様々な強い生理活性を持ち多様な組織に作用を及ぼす
 ・プロスタグランジン2・・・細胞や臓器の収縮させる
 ・プロスタグランジン3・・・細胞や臓器を拡張させる
アディポネクチン:脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)のうち善玉物質のひとつ。動脈硬化や糖尿病を防ぐ

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