鶴見医師に聞く「秋の味覚と健康」について
秋ほど良い季節はありません。
暑からず、寒からず、薄曇りもあまり無く、空は高く、空気は清む。
まあ、それ故、スポーツの秋、食欲の秋、味覚の秋、ドライブの秋、旅行の秋、などと言われるのです。
味覚の秋と言われるのは、とにかく旨い食べ物が沢山この季節に出てくるからでしょう。
例えば、栗、松茸、秋刀魚、ハモ、かつお、薩摩芋、柿、里芋、梨、新米、ブドウ、カボチャ、銀杏、などなど。
かような物を使って、いろいろなメニューを作れば、それは食欲が増すのは当然です。
なんせ、新米が旨いのです。
栗ご飯、銀杏ご飯、松茸ご飯、ハモご飯、と色々と考えられますし、松茸の土瓶蒸しや、秋刀魚の塩焼き、その他にも色んなおかずをつけると、食が進んで進んで、とにかく食べ過ぎてしまうこと間違いありません。
また、かようなおかずには、まさしく日本酒が合います。
夜に旨い酒を飲みながら、旨いおかずや旨い飯を食べて過ごすと夕食がいつ果てるともなく続くことになります。
さて、問題は、かような秋こそ、病気を産生する季節だということ。
どうして秋に病気を作ってしまうか?
過食の害
なんと言っても食べ過ぎる。
食べ過ぎくらい良くないことはない。
高カロリーは、なんと言っても脂肪細胞を増やす悪い因子だと言うことだからです。
この脂肪細胞が、悪玉サイトカインを出し、あらゆる病気に繋がります。
酒の害
食べ過ぎた上にアルコールが増えること。
酒もウイスキーも焼酎もビールもワインも普段よりはるかに多くなります。
『酒は百薬の長』と言いますが、当然、少量の場合を指します。
飲み過ぎたら、百毒の長になります。アセトアルデヒドはかなりの毒物。酒は、飲まないか、極めて少量でなくてはなりません。
食べて即眠る害
食べ過ぎた上に酒を飲むため、家に帰ってから大変眠くなり、バタンきゅうと寝てしまう。
このパターンが多くありませんか?
つまり、胃に物が入ったままの睡眠。これほど不健康なパターンはありません。
食べて即寝るのは、最悪のライフスタイルなのです。しかし、秋にはこのパターンだらけ。
食べたら、せめて三時間は起きていないと、胃に入った食物は腸には行かず腐ってしまいます。 腐敗したものが残った胃は炎症だらけ。 その腐敗物が腸に入り、腸を腐敗させ、アンモニアだらけにさせます。 このアンモニアが、おならや便を臭くするのみならず、吸収されて血を汚し、細胞まで酸化させ、ありとあらゆる病気の原因になります。
それ故、食べてすぐ眠ることは、本当に最悪なのです。
ところが、この食べて即眠ることをやりがちな季節こそ、秋なのです。
夜食の害
秋は、ついつい、しめのラーメンのように夜食を食べがち。
しかし、夜食【20時から午前4時まで】は、どんなに消化酵素を飲んでも、あまり消化しない時間帯。
せめて、20時までには夕食を終えましょう。夜食を続けると、必ず病気がやって来ます。
夜食は消化不良の最たる時間帯なのです。
この夜食をついついやりがちなのが、この、秋の季節です。 かようなことを気を付けないと、大病や難病のベースが出来てしまいます。
くれぐれも、かようなことに気を付けて、味覚の秋を乗り切りましょう。